バレンシアガはダサい?言われる理由と、2025年に変わったこと

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ボリュームのあるスニーカーとシンプルなパンプス

バレンシアガはダサい。

そう検索した方は、おそらく持っているか、買おうか迷っているかのどちらかだと思います。決して安いものではありませんから、気になるのは当然です。

先にお伝えすると、この記事は「ダサくないですよ」と言って終わるものではありません。人を選ぶデザインなのは事実です。

ただ、調べていくうちに意外なことが分かりました。あの独特なデザインを作った本人が、「ダサさを狙ったわけではない」とはっきり否定しているのです。そしてその本人は、2025年にブランドを去っています。

順番に整理していきます。

目次

バレンシアガが「ダサい」と言われる理由

厚みのあるソールの無地スニーカー一足 明るい室内の床
SHIKOU LUXURY イメージ

まず、実際にどう言われているのかを見てみます。

言われているのは、だいたいこの3つです

ネット上の記事を見ていくと、理由はほぼ次の3点に集約されます。

  1. ロゴの主張が強い — ブランド名が大きく入ったアイテムが目立つ
  2. 人と被りやすい — ロゴパーカーなどが大流行したため
  3. 背伸びして見える — 高価格帯なので、無理をしているように映る

どれも、言われてみればそのとおりだと思います。とくに1つ目は、バレンシアガというブランドの印象そのものになっている感があります。

ですが、作った本人は「ダサさを狙った」ことを否定しています

ここからが、多くの記事が触れていない部分です。

バレンシアガのデザインを2015年から率いていたのは、デムナ・ヴァザリアという人物です。彼が2017年に発表したスニーカーが「トリプルS」でした。厚みのあるソールが特徴で、「お父さんが履いていそうな靴」を意味するダッドスニーカーというジャンルの火付け役になったと報じられています。

このトリプルSについて、デムナ本人が2019年にアメリカの業界紙WWDのインタビューでこう語っていたと報じられています。

トリプルSはボリュームのあるスニーカーとして構想したもので、あくまで靴のプロポーションの実験だった。何がダサくて何がダサくないか、という仕掛けのつもりはまったくなかった。

さらに、こうも続けています。

私はこの「アグリー・ファッション」の一部ではない。ダサいものが好きだったことは本当にない。

つまり、「ダサいものをあえて作った」わけではなかったのです。狙っていたのは、靴のバランスそのものでした。

ただし、上品に見えないことは承知のうえだったはずです。高級ブランドの靴といえば細身で品よく、というのがそれまでの常識でした。トリプルSは、その真逆を出したわけですから。

ダサいと感じるのは、この靴が最初から織り込んでいた反応です。 ですがそれは、ダサさを目的にした結果ではありませんでした。

実際、それは巨大なトレンドになりました

トリプルSは発表当初、批判もされたと報じられています。ですが一度火がつくと、そのボリューム感は新しいシルエットとして定着し、他のブランドが次々と追随する流れを作りました。

いま街で見かける厚底のスニーカーは、その多くがこの流れの中にあります。

似たことは他のブランドでも起きていて、ミュウミュウはダサい?で言われている理由を一つずつ確かめたときも、実際の評価とはかなり違うところに着地しました。

ただし、その仕掛け人はもういません

黒のシンプルなパンプスと小ぶりの無地ハンドバッグ
SHIKOU LUXURYイメージ

ここが、いま検索して出てくる記事の多くが追いついていないところです。

2025年、デザイナーが交代しました

2025年3月、デムナ・ヴァザリアがグッチへ移籍することが発表されました。そして5月、後任としてピエールパオロ・ピッチョーリの就任が発表されます。

デムナの最後のコレクションは2025年7月。ピッチョーリは同月に正式に就任し、2025年10月4日、パリで自身のデビューコレクションを発表しました。

つまり、いま「バレンシアガはダサい」と説明している記事の多くは、すでに現在のバレンシアガの話をしていません。実際、上位に出てくる記事のなかには、デムナを「現在のデザイナー」と書いたままのものもあります。

何が変わったのか

報じられている内容を整理すると、方向性はかなり変わったようです。

デムナ期ピッチョーリ期
方向性ストリート志向・破壊的エレガント・華やか
シルエットダッド、オーバーサイズ直線的なカッティング、バルーンシルエット
評され方ブランドを若返らせた「シックを呼び戻す」

デビューコレクションについては、「継続ではなく、大転換だった」と書いた批評もあります。前任者の顧客を維持する戦略ではなく、新しい層を呼び込む試みだ、という見方です。

それでも、トリプルSは消えていません

ここがいちばん意外だったところです。

方向性が変わったのなら、前の時代の象徴は片付けられそうなものです。ですが実際には逆でした。

2026年2月4日から、「トリプル S.2」が一部の店舗で先行発売されています。2017年の初代から約9年を経た新しい世代で、報道によればピッチョーリ自身の手で再構築されたものです。オリジナルと同じ彫刻的なアウトソールを受け継ぎながら、メッシュの面積を広げて軽くしているとされています。予定価格は151,800円と報じられました。

公式サイトのシューズのページを見ると、トリプル S.2 のほかに Runner、3XL といったボリュームのあるモデルが並んでいます。その同じページに、パンプスやバレリーナシューズも並んでいる。古い方向性を消したのではなく、選択肢が増えた、という状態です。

バッグも同じでした。現行の主なモデルを見ると、ロゴが大きく前面に出ているものは一部にとどまります。「ロゴの主張が強い」という理由は、いまのラインナップ全体には当てはまりにくくなっています。

今持っている方・これから買う方へ

ここまでを踏まえて、いちばんお伝えしたいことをお話しします。

慌てて手放す必要はありません

「ダサいと言われるものを持っているのが恥ずかしい」という気持ちは、よく分かります。

ですが、お手元にあるのがデムナ期のバレンシアガなら、それは流行から取り残されたものではなく、流行を作った側のものです。ダッドスニーカーというジャンル自体が、ここから広がりました。

そして新しいデザイナーは、その代表作を否定せず、自分の手で作り直しました。ブランド自身が価値を認めている、ということだと思います。

似たことはセリーヌのラゲージは廃盤?でも起きていて、デザイナーが交代し、一度は終わったと思われたバッグを、新しい人が復活させていました。評価が定まるまでには、時間がかかるものなのかもしれません。

もちろん、飽きたのなら手放すのも自然な選択です。ですが「ダサいと言われているから」という理由だけで急ぐ必要は、少なくとも今はないと思います。

ロゴが気になるなら、選択肢はあります

これから買う方で、ロゴの主張が気になるという場合は、ロゴが前に出ていないモデルを選ぶという手があります。現行のバッグには、ロゴを使っていないシンプルなものが複数あります。

フルラのメトロポリスは流行遅れ?でも書きましたが、ブランドそのものが古いのではなく、目立つ一部のモデルの印象がブランド全体の評価にすり替わっている、ということはよくあります。

デムナ期のモデルを探している場合は、新品では手に入りにくくなっているものもあります。その場合は中古市場が中心になります。状態やサイズで価格が大きく変わりますので、複数の販売店を横断して見ておくと相場がつかめます。

バッグを探すイメージ

※画像はイメージです

BALENCIAGA(バレンシアガ)

バッグ・スニーカー

中古・状態とサイズを確かめて探す

まとめ:狙いどおりの感想と、変わりつつある現在地

最後に整理します。

バレンシアガが「ダサい」と言われる背景には、デムナ・ヴァザリアが2015年から進めた作り方があります。ただし本人は、ダサさを狙ったのではなく靴のプロポーションの実験だったと述べています。上品さの常識から外れることを承知で出したデザインが、批判を経て大きなトレンドになりました。

そのデムナは2025年にブランドを去り、ピエールパオロ・ピッチョーリが後任に就いています。デビューコレクションは「継続ではなく大転換」と評されました。

一方で、トリプルSは2026年に「トリプル S.2」として、ピッチョーリ自身の手で作り直されています。否定されたのではなく、引き継がれたということです。

ですから、いま手元にバレンシアガをお持ちの方が、「ダサい」という言葉を理由に慌てる必要はありません。これから選ぶ方も、ロゴが気になるならそうでないモデルを選べばいいだけの話です。

言われている理由だけで判断せずに済むように、この記事が役に立てば幸いです。

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